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赤羽様は僕の顎を持ち上げて上を向かせ、獲物を射抜くような目で僕を見た。
「悠希くんの気持ち、聞かせて欲しいんだけど……」
「っ……僕は……」
「俺の事……好き?」
本当に言っても良いんだろうか。たった一言で、人生が変わってしまいそうな気がする。
隠そうと決めていたのに、彼が僕を好きなのは想定外で迷ってしまう。
「悠希くん?」
急かされているみたいだけどその声が甘くて優しくて、僕の心はもう彼に捕らわれたみたいだ。
「す、好きです……僕も……赤羽さんが好きです」
とても恥ずかしくて彼の目を真っ直ぐ見れず、声がだんだん小さくなる。
僕を見て彼は微笑むと、僕の唇にその唇を押し付けた。
「んぅ……!」
ふいのキスに驚いたけど、全身が熱くなって溶けそうなくらいで。気付くと彼に組み敷かれて、ベットに背を預けていた。
― ― ― ――――
「んぅ……っ……あ、あの……ここ学校だし、誰かに見られたら……」
「ん、大丈夫だよ……鍵はちゃんと掛けたから……」
僕の耳元で静かに囁きながら、僕自身を扱く彼の手の感覚に僕は震えていた。
今まで誰かにこんな風にされた事は無い。その上学校で憧れのアイドルに恥ずかしい部分を触られて、快感と背徳感が混ざったものが押し寄せてくる。
「っ……ぁ……!」
誰かに声が聞こえないかと手で口を必死に押さえる僕を、彼は熱っぽい瞳で見つめていた。
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