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岩の谷の護り人
焼きたてのパンのいい匂いが町の大通りの人並みをぬうように漂わせ、奥には威勢のいい果物の叩き売りの声がして、人だかりになっていた。
その人だかりをかき分けて黒いマントを頭から被った者が駆けていく。
その者の視線の先には顔中毛むくじゃらの大男に 車がついた板に乗せられ鎖で繋がれたドラゴンがいた。
「ガハハハハ どうだ皆の衆、見てみろドラゴンだ!!肉も皮も心臓も爪も牙もみんな売ってやる。集まれ集まれ!!」
大男は機嫌よくそう言った。
その時、大男の後方で剣が横切った。
鎖にあたり金属音が鳴り響くと大通りの人々の視線は果物の叩き売りからこちらへと移った。
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