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でも断る勇気もない私はそのままここに来ている。
「あ、あの・・本当に私でいいんでしょうか?」
「え?」
「鈴木先生にはお話しした通り、お恥ずかしいことに、その、学歴・・が中途半端で、あの・・」
下を向いてすスカートをぎゅっと掴む。すると温かい手が両肩に置かれた。顔をあげると教頭先生が笑っていた。
「挫折した人ほど優しい心を持っている。傷を知らない人には痛みは分からない。私はそう思うわ」
「あ・・」
「15分、青葉さんらしくお話してくれるのを楽しみにしています」
初めて入る放送室。マイクの使い方を教わり、座って深呼吸。
なにを話そうか。それは考えてはいたけど、こうしてマイクの前に座ると言葉が出てこない。
「でも、大丈夫。頑張るんでしょ、カナ」
時間になりマイクのスイッチを入れた。
『皆さん初めまして。今日から毎週月曜お話をさせてい頂く青葉カナです。
人生や生き方ということを主に話していきます。まず今日は・・』
こうして私の自由な生き方、自由な時間に毎週月曜15分間の予定ができた。
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