魔王ベルフェゴール

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『うわっ!?』 突然地震に襲われて、僕は体勢を崩した。 エレベーターの照明が落ち、周囲が真っ暗になってしまった。見回りの途中だというのについてない。 『まじかよ。定時で上がらないとボーナスタイム終わっちゃうじゃないか…』 真っ暗なエレベータの中で待つこと3分。動く様子はない。 僕は懐中電灯を出すと、コールセンターに連絡を取った。 ところが応答がない。さらにじっと数分待ってから、再びコールセンターに連絡してみた。応答がない。 僕は息を吐くと、エレベータの壁に腰かけて待つことにした。 腕時計に目をやると、すでに30分余りが経過していた。イライラする。本当に何なんだ今日は。 最近は停電が起こっても電気の復旧は早かったはずだ。これは何かあったのだろう。 僕はエレベータの扉をこじ開けた。重い。5分ほどで、何とか外に這い出ることができた。 廊下に出るとガス灯のような光が並んでいた。こんなものはビルになかったはずだ。 懐中電灯を照らすと、妙に古めかしい壁まで映った。 『コンクリートじゃない!? 何だこれ…』 足元を照らすとそこには大理石が敷き詰められていた。うちのビルの床はビニール素材だったはず。 天井を映すと大理石で出来ているし、そもそも天井自体が高い。まるで古代遺跡にでも迷い込んでしまったかのように感じる。 十字路に差し掛かった。
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