警備員スズキ

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「お待ちください。この者はうちに忍び込んだ不審人物。調べもせずに仲間に迎えるなど…」 魔王はあごに手を当てると、サブロウを見た。 「サブロウ、彼が嘘をついている様子は?」 「大丈夫かと…意図的に知っていることを黙っているような雰囲気もありません」 「なるほど」 魔王はそういうと再び僕を見た。 「君は警備をしていて、気が付いたらここに来たんだな?」 『はい…まあ、そこの天使さんに連れて来られたって感じですが…』 そう答えると魔王は言った。 「なるほど。そうなると魔王仲間が言っていた…何だっけな」 魔王は何かを思い出すように耳慣れない単語を囁き続けた。あれも違うこれも違うと自問自答しているようだ。もしかして、これを言いたいのだろうか。 『異世界転生…ですか?』 「それだ! でも、君の場合…転生ではなく転移の方が近いな」 「迷子ってところっすね」 赤いのに言われた。 異世界迷子。ちょっと待って下さい。何ですか、そのとってもかっこ悪い名前は。
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