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霊現象の噂が立つ建物に怪奇現象とも言える足の痛み。
心霊写真が撮れるかもしれないと楽しそうに携帯のカメラを僕に向けた。
その時僕は壁に寄りかかって左足を伸ばしている体制。友達2人は固まって携帯の画面を覗いていた。
当然、写真に写るのは僕だけ。
んじゃ撮るぞー!はい、チーズ!
記念写真でも撮るような雰囲気だったよ。
その2人は悪ふざけをするだろうと予想してた。
そして僕の予想通りの展開になったんだ。
笑いながら画面を見てシャッターを切った後、友達は2人共徐々に真剣な顔へと変わった。
あぁ、僕を驚かせようとしているんだなとすぐに分かったよ。
なぁ…これ…見るか?
わざと見せたく無いかのような言い方。
どうせ何も写っていない。僕が恐る恐る覗き込めばその途端に馬鹿にでもするつもりなんだろう。
見るよ。携帯貸して。
そんな誘いに乗るもんかとその場に座ったまま手を伸ばした。
少し躊躇しながらもすんなり携帯は貸してくれた。
僕が画面を見たら何らかのアクションを起こす筈。
けど、そうはならなかった。
そしてその写真を見た僕も、一瞬息を飲んだ。
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