船出

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毎日ダラダラして、週に何度かSEXをするだけでもオレは良かったのだが、あまりの必死さに笑えてきて申し出を受けていた。 それがクラブRougeとの出会いだった…… 今日は金曜日のためか常連客が多く、何かと忙しかった。オレらしかぬ勤勉さで黒服という仕事に徹した。もう、二度とこの店に戻ることはないかもしれない。 そう思いながら、感傷深く働いていたのかもしれない。 「真純、もういいか?オーナーズルームに来い」 客が帰った一時半頃、オーナーから声を掛けられた。 訳もなく体が強ばったが、若干震えの走る声でオレは答えた。 黙って後ろを歩いていくと、オレとは違いヒョロっとしてないオーナーの男らしい背中が見えた。髪は赤茶に染めてはいるが、普段は人をおちょくるような俺様感の強い甘いマスクの持ち主だ。 人間的には多少は尊敬してきたが、どうせオーナーにも、次の職場でもオレは捨てられるのだろう… そうなったら、またウリでもやればいいかと自分を納得付けた。 「我孫子です。失礼します」 ドアを叩いて、入室の許可を得ようとすると、おうとオーナーから声が掛けられた。 「真純、お前には六本木のとあるラウンジに行ってもらう」     
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