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どちらからともなく重なった唇は、無くした時間を取り戻すように一瞬のうちに激しい熱を帯び、アキトの柔らかな唇は湊の薄い唇に痛いほどに押し付けられていた。 彼はどこまで求める気なのだろう。アキトの下は、もっと、全部と、常に何かを渇望しているように奥へ奥へ、喉の先まで入るくらいに湊の口内を貪っていく。 苦しさに湊が声を漏らしても、アキトは構わずそれを続ける。まるで、数日ぶりに触れた水を、一滴残らず吸い取ろうとするように、彼は湊の唾液を幾度も幾度も絡み取った。 湊もまたずっと求めていた目の前の恋人を強く欲する。舌先を性器のように固く尖らせ、アキトの綺麗な歯列を一つずつなぞっていく。 そして、アキトと同じようにそれを相手の喉の奥深くまで挿入し、吐き気を伴ったであろう彼の嗚咽に構わずその届く1番奥深くまで犯したのだ。 2人とも、苦しみの中に快楽を感じていた。息が吸えないことで発生する苦しみでさえ、お互いの存在を確認し合う術だから。 どこまでも深く、どこまでも求め、そして情熱的に愛し合う。 ぴちゃ、と音を立ててアキトの唇が湊から離れる。それでも彼の目は名残惜しそうに湊の唇を見つめていた。
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