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今、何時だ。
もぞもぞ体を動かして、すぐ側に落ちていた携帯に手を伸ばす。
「……夜中の、2時!?」
どうやら、あのまま寝てしまっていたらしい。風呂にも入っていないし、服だってそのままだ。
とりあえずシャワーだけでもと、部屋を出た瞬間、玄関のドアが開く音がした。つられるように向けた視線が、帰ったばかりの聖司のと重なって、すぐに逸らされる。
「……おかえり」
靴を脱ぐため、みたいに下げられた視線はわざとらしくて、嫌な感情がぐずぐず溶け出す感じがする。気持ち悪い。
「ただいま。珍しいじゃん、起きてたの?」
「別に……つか、何してたの。こんな時間まで」
トン、と壁に背中を預ける。
玄関からリビングに入った聖司の訝しむような視線が、珍しく真っ直ぐ刺さった。
それもそうか。いつもなら、こんなこと聞いたりしない。きっと、優美さんからの電話が、尾を引いてるんだ。
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