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当然、俺は聖司から距離を取るようになり、高校は別の学校に通った。
それでも家では顔を合わせることだってあり、その時の空気を、優美さんたちはかなり気にしていたに違いない。
何の因果か、同じ大学に進学が決まった俺たちを、優美さんたちは問答無用でルームシェアという檻に閉じ込めた。
リビングを中心にしたこの家では、顔を合わせない時間がない。それもきっと、優美さんの計算なんだろう。
4人掛けのダイニングテーブルで、俺が座るその斜め前の席に腰掛けた聖司が、小さく手を合わせる。
「……頂きます」
「ん」
それきり会話なんてあるはずもなく、俺も聖司もただ黙って箸を進める。目は合わないし、言葉だって何も出ない。
俺たちがすれ違い始めてからの6年間は、俺が思っていた以上に、この溝を深めていた。
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