第1章 檻の中の双子

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同じ部屋にいても、同じ行動をしても、もう聖司と交わす言葉もない。それを実感して、飲み込んで、諦めるのに1年もかかった。 この1年で交わした言葉なんて、“おはよう”と“ただいま”、それから“頂きます”くらいのもので。 それも篠崎家の決まりとして、こっちでも適用されているだけ。 それ位、俺たちの間には距離が出来てしまっていた。 「……ごちそうさま」 よほど腹が減っていたのか、あっという間に空になった皿を聖司が流しに置く。 感情のない声に返事はせず、部屋に戻る聖司から目を逸らした。 パタンと閉まる扉と、その向こうに消えた背中。途端、静寂が広がる部屋に、俺のため息が響いた。 毎朝あいつより早く起きて、変わらないとはいえ朝飯作って。そりゃ、優美さんに教えて貰ったんだから、不味くはないんだろうけど。
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