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呆れを通り越して、軽蔑の見え隠れするような顔をした哉太は、怒ったように指先でテーブルを叩く。
綺麗事だなんてそんなこと、俺が1番、よく分かってる。
「……うるさい。食べ終わったなら出るぞ、この後買い物したいし」
ふいっと顔を逸らして財布を取り出した俺に、わざとらしく息を吐いた哉太は、そのくせ目を輝かせて。
「今日の夕飯、なんなの? 俺はシチュー食べたいんだけど」
なんて、ちゃっかりリクエストまでしてきた。
仮にシチューだったとしても、その席に着くつもりなんてないくせに。
「残念だったな、今日はグラタン」
「うぁー、そっちも食べたい!!」
くるりとマフラーを巻きながら答えた俺に、哉太は悩むなぁ、なんて眉を寄せる。
「どうせ食べになんて来ないくせに」
「なぁに? 食べに行って欲しいの?」
「言ってろ」
マフラーを口元まで引き上げてニヤリと笑った哉太に、呆れたと肩を竦める。
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