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「……なんで……」
多分、俺の目も丸くなってる。
だって真っ白なシャツに黒のパンツ姿で出迎えてくれた店員が、どうしてか聖司だったんだから。
「店、変えようか?」
予想もしていない出来事に立ち尽くす俺の隣で、哉太が小さくそう呟く。驚いて真っ白になった頭には、その提案はとても魅力的だったけど。
「……いいよ、別に。ここのケーキが食べたかったんだろ」
なんて哉太を理由にして、さっさと空いていた席に腰を下ろす。
小さく息を吐いた聖司は、来た時と同じように靴音を鳴らして、俺たちから遠ざかっていく。
「……本当に、良かったのか」
心配そうな哉太の声に、視線は聖司を追っていたことに気付いて。
「別に? 今のあいつは店員で、俺たちは客だろ。気にすることなんかない」
取り繕うように頬杖をついて、哉太にメニューを手渡す。
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