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ここに着いてすぐ、聖司がいることにびっくりした俺に、哉太は店を変えようかと言った。よく考えれば、1度も会っていないはずの聖司を、哉太が知っているはずはなかったのに。
カチャリとカップを置いた俺に、哉太はフォークを握ったままぽかりと口を開けた。
「この間、涼介が酔い潰れた時に初めて会ったんだけど……聞いてないの?」
「……何も、聞いてないけど。俺、なんかしたの」
有り得ないとでも言いたげな哉太に、だんだん不安が募ってくる。
あの日は確か、聖司の話をしていて。
まるで洗脳でもするみたいに、俺が聖司のことを好いてるって哉太が何度も言うから。
イライラしたというか、認められない歯痒さに、ついつい酒を煽る手が止まらなかったんだ。
気付いた時には自宅の、それも自室のベッドに寝かされてたから、絶対哉太が運んでくれたんだと思っていたのだが。
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