第9章 甘え甘やかし、双子の姿

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好きだとか、それだけじゃなくて。 他愛ない会話もしたかったし、くだらない冗談も交わしてみたかった。 幼い頃と同じように、普通の会話がしたかったんだ。 「そういうこと言われたら、俺、強く出れねぇじゃんか」 「いいんだよ、それで」 不満そうに唸る涼介の髪を撫でて、その目尻に唇を落とす。何故か少ししょっぱくて、なんだとよくよく見てみれば。 「なに、涼介泣いたの」 うっすらとついた涙の跡に、そっと指を這わせる。 昨日のものとは言っても、シャワーだって浴びたし、どう考えてもその後に泣いたってことだろうけど。 「え、知らない。なんで?」 「泣跡がうっすら付いてる。涼介が知らないってことは、寝てる間か?」 目はそんな腫れていないし、思い切り泣いたわけじゃないだろうけど。
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