4人が本棚に入れています
本棚に追加
好きだとか、それだけじゃなくて。
他愛ない会話もしたかったし、くだらない冗談も交わしてみたかった。
幼い頃と同じように、普通の会話がしたかったんだ。
「そういうこと言われたら、俺、強く出れねぇじゃんか」
「いいんだよ、それで」
不満そうに唸る涼介の髪を撫でて、その目尻に唇を落とす。何故か少ししょっぱくて、なんだとよくよく見てみれば。
「なに、涼介泣いたの」
うっすらとついた涙の跡に、そっと指を這わせる。
昨日のものとは言っても、シャワーだって浴びたし、どう考えてもその後に泣いたってことだろうけど。
「え、知らない。なんで?」
「泣跡がうっすら付いてる。涼介が知らないってことは、寝てる間か?」
目はそんな腫れていないし、思い切り泣いたわけじゃないだろうけど。
最初のコメントを投稿しよう!