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「なんかこれ、涼介の誕生日の朝みたいだな」
毎年涙で始まるその日を思い出した俺に、涼介はぎくりと体を竦ませて、目を丸くした。
「ど、どういう……」
「涼介、毎年誕生日の朝は泣いてるだろ。なんかあれみたいだなーって……まさか、俺が気付いてないとでも思ってたのか?」
あまりに驚く涼介に、まさかと首を傾げれば、当の本人は赤くなったり青くなったりと忙しそうで。
こいつ、本当に俺が気付いてないと思ってたのか。
「あのなぁ……、今はともかく、前までは2段ベッドの上使ってたんだぞ、俺。夜中に啜り泣く声が聞こえたら、目だって覚めるだろ」
「そ、そんなに盛大に泣いてたのか、俺?」
自分の意思とは関係ないことなんだろうか。
涼介は、まるで記憶がないかのように、不安そうに目を泳がせる。
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