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「や、むしろすげぇ静か。寝ながらぽろぽろ涙流すから、余計心配になったな」
初めて気が付いたのは、涼介が14歳の誕生日を迎える日の朝だった。その時にはもう、涼介と上手くいかなくなってて、それでもまだ同じ部屋だったからこそ、気付けたんだけど。
「起こしたり、しなかったのか?」
恥ずかしいのかなんなのか、 恐る恐るな涼介に苦笑いを浮かべて返事を誤魔化す。
あの時俺がどうしたかなんて、本人には絶対に言えない。そんなことしたら、羞恥で死ねる。
「どうだったかな、忘れた。それより、なんで泣いてたか、涼介自身は分かってんの?」
訝しむような顔をした涼介の髪を撫でて、話を少し逸らす。
不自然さを感じたのか、それともただ言い渋っただけなのか。暫く口を閉ざしていた涼介は、諦めたように目を伏せて、眉間の皺を深くした。
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