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「っ、俺だけが恥ずかしい思いすんのかよ……」
見たことないくらい真っ赤になった涼介は、そんなことを言いながらも体を寄せてくる。
口ではぐちぐち言うくせに、遠慮なく甘えてくるところが愛おしいだなんて。そんなこと、口が裂けても言えないけど。
意外と硬い涼介の髪を撫でながら、カチカチ進む時計の音に耳を傾ける。
こんな日が来るなんて、思いもしてなかった。
いつかのように体を寄せ合って、甘える涼介を甘やかして。
多分本当は、ずっとこうなりたかったんだ。
くだらない嘘で作った、歪な関係なんかじゃない。涼介にとって、本当に大切な存在でありたかったんだと。今になって、ようやく気付いた。
だからこそ、涼介の本音が知りたい。
好きだと言って欲しいとか、そんなんじゃなくて。
俺たちが手を取り合うには、それなりの覚悟が必要になる。
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