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「……知らねっ」
ばっと布団の中に潜り込んでしまった涼介の、なんとも子供っぽい返答に苦笑いが零れた。
涼介に好きだと告げて、受け入れて貰えて。
俺が、涼介を俺のものにしたつもりだったのに。
まさか俺が涼介のものだなんて、そんなことを言われるとは思わなかった。
「なんで。俺が涼介のなら、涼介だって俺のだろ」
「っるせぇな! こっ恥ずかしいこと何回も言うなっ」
ぎゅっと抱き締めた腕の中で、涼介がばたばたと暴れる。布団から見える真っ赤な耳が可愛くて、きっと俺の顔はゆるゆるだろう。
「やっと言えるようになったんだから、そりゃ何度だって言うよ」
「っ……ずるいだろ、そんなの」
ぴたりと動きを止めた涼介が、悔しそうに唇を噛む。
言いたいことが、たくさんあった。
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