谷保天広告社 二代目社長

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谷保天広告社 二代目社長

谷保元町商店街(やほもとまちしょうてんがい)〕は・〔谷保(ヤホ)駅〕の北東側にある昔ながらの商店街である 近くに公団住宅や社宅などがあり・昭和の時代はそれなりに活気を見せていたが・平成に入ると〔タチカワ〕や〔クニタチ〕にお客さんが流出していくようになった 〔谷保〕駅を北に徒歩25分程で〔国立〕駅に着く/ そこから中央本線鉄道で西に一駅で〔立川〕駅・そこから南武蔵鉄道で南東に三駅で〔谷保〕駅にもどる 〔タチカワ〕はデパートやディスカウントストアを誘致し〔シンジュク〕から流れてくる客を捕まえ 〔クニタチ〕は高級教育住宅街を売りにおシャレな店が並ぶようになった 〔谷保元町商店街連合会〕は・商店街の端の方にある谷保天広告社(やほてんこうこくしゃ)に 『費用はあまり出せないが効果がそれなりにある宣伝方法を』と依頼した 谷保天広告社は社員がバイトも含めて8名程の地元に根ざした広告社で・最近社長が二代目になった/初代社長は・これまでも商店街の多くの宣伝活動を地道に行い それなりの成果があって 連合会から信頼されていたが・高年齢もあって一線を退いた その息子の二代目は・新入社員時代から ちょっと変わったアイデアを出すヒトで・大当たりもあったが それ以上にコケることが多かった 今回の依頼は・二代目の新社長になって初めての〔新しい仕事〕になった 二代目社長はアイデアを3つ出した 1つ目が・鉄道会社から〔谷保〕駅 のネーミングライツ権を手に入れ・ネットで有名な大会社にその権利を使っての宣伝話を持ちかける ことであった 誰もがそんな商談を・鉄道会社やネットの大会社が受けるとは思わなかった しかし鉄道会社には・駅の読み方はそのままであるし ただローマ字の表示のところと駅のデコレーションが少し変わるだけで ポスター代は別途支払うとした 鉄道会社としても・地域の活性化になればと了承が得られた ネットの大会社はもっと太っ腹なのか・SNSなどで話の種にでもなれば 少しはバズる可能性もあるかもしらないという担当者の遊び心をもって契約が結ばれた 先ほど『〔谷保(Yaho)〕駅を〔谷保o!〕駅にしたのは凄いことをした』ように記したが・駅名のローマ字の部分はシールだし ベンチも自動販売機もカラーシートを貼り付ける・だけでよいので実際の費用はそれ程ではない
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