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繰り返すS字カーブを走りながら山を登っていくと、景色が開きます。左手には水田が広がり、右手にはきれいに整備された棚田が見えます。
おばあちゃんの家はもうすぐ。ただ、今回ばかりはリクの心は晴れませんでした。四日間のうちに、自分を取り戻さなければいけません。自信なんて無く、不安の方が大きかったのです。
おばあちゃんの家は茅葺屋根の平屋。たったひとつしかないだだっ広い居間には畳が敷き詰められていて天井は低く、その南側には縁側があって、そこからも自由に出入りできます。リクの生活に当たり前のように根付いているセキュリティ感覚は、遥か異国の地のもののようにも思われました。居間の東側、一段下がったところが炊事場で、ピカピカに磨かれた釜戸が整然と並べられています。今はもう使われていない囲炉裏もあって、まるで絵本に出てくるような佇まいです。
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