20人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ
四日目
リクが自宅に帰る日の朝、穏やかな里山の空気をけたたましいサイレンが震わせました。リクが布団から飛び起きると、おばあちゃんが縁側に立って双眼鏡で山を眺めています。
「リクちゃん、大変。山から煙が上がってるよ」
おばあちゃんの言葉をリクはすぐには理解できませんでした。
「山から煙……?」
山の中腹あたりから空に昇る煙を見て、ようやく事態が飲み込めました。山火事です。サイレンは鳴りやまず、晴天とは裏腹に物々しさが里山を包み込んでいます。
最初のコメントを投稿しよう!