頼れる助手

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“いつでも話せる”という言葉に、私も絢人さんもピクリと反応する。私が避けていたから、今まで話せなかったわけで……。 しかし絢人さんはそこを責めることはなく、パソコンの画面に視線を移した。 「真夏も来るなら、良いものを作らないとな。式場で真夏を泣かせたい」 眼鏡姿の彼はそう言ってニヤリと笑う。 いや……私じゃなくて、早織さんを泣かせるのが目的のはずなんですけど。 それでも、久しぶりに見た彼の自信満々な笑みに、私はドキドキしていた。こうなったらもう、絢人さんは止められない。 私もお喋りは止め、作業に戻った。
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