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無意識に呟いて、携帯電話を見た。
会話型のSNSアプリを開くと、一週間前に彼から突然来たメッセージが表示される。
ごろんと寝返りを打って、何度もその文面を見ては、クッションに顔を押し付けた。
彼が卒業してから、もう何年も会わなかったのに、どうして今さら……。
そのとき、手元の携帯電話が振動した。ブルッとした刺激で手から滑り落ち、端末はソファーの足下へと転がっていく。
クッションから顔を上げて、手を伸ばしてそれを拾い上げると、開いていた『志岐絢人』との会話画面に、新たなメッセージが追加されていた。
【お疲れ! もう帰ったか? 今日空いてるなら飲みに行くぞ】
私はもう一度、手元が狂って携帯電話を落とした。
飲みに? 今から? いやちょっと心の準備ができてないんだけど……。
もう、なんでいつもこう、嵐のような人なの。
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