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「俺は真夏がいなきゃ何もできないよ」
「嘘……」
「嘘じゃない。俺に付いてきてくれたのは真夏だけだった。……知ってるか? 昔から俺のやりたいことと、皆が俺に期待してることは、少し違ってる」
分からなかったから、首を横に振った。
すると彼は続ける。
「周りはいつも、俺が何か大きなことをしでかすのを期待してた。待ってるんだ、皆。でも野望なんていくら持ってても、ひとりじゃ実現できないんだよ。……そんなとき、いつも真夏が支えだった。何をしようとしても、真夏は俺を信じてくれたろ。だから何でもやってこれた。……俺の思い描くことを実現させてくれていたのは真夏だよ。知らかったのか」
「……そんなっ……私、何も……」
「バカだな。思い返してみろよ。俺が真夏無しで何か成功できたことがあったか? 達成した喜びを分かち合うとき、お前がそばにいなかったことがあるか? ……真夏はずっと俺のヒーローだったよ」
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