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そう言われたとき、昔の私たちが思い浮かんできた。いくつもの笑顔、涙。胸を焦がす気持ちを分かち合うとき、彼と私はいつも一緒にいた。
そのことに気付くと、はらりと涙が流れて頬を伝い、絢人さんの指にこぼれ落ちた。
彼は微笑みながらそこに軽いキスを落とす。
「俺は真夏に見合う男になりたい。今度は俺がお前のヒーローになりたいんだ。……大事にするよ。いつもそばにいる。もう泣かせたりしないし、何があっても真夏の味方でいる。真夏はひとりで何でもできるかもしれないけど、これからは俺を頼ってほしい」
「……絢人さん……」
「大好きなんだ、真夏。諦められない。多分、ずっと、俺はお前のことを追いかけ続ける」
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