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絢人さんは電話を切ろうとしたが、樫木さんは『いえ』とさらに続ける。
『お二方ともテレビ電話で繋がっています。お繋ぎしますね』
「はあ!?」
すると電話口は関を切ったように騒がしくなり、絢人さんはそれを耳から離した。樫木さんがテレビ電話に切り替えたらしく、そこには画面いっぱいにおじ様ふたりの姿が映し出される。
どうやらチャット形式のテレビ電話のようで、絢人さん、樫木さん、社長さんたちの三窓が表示されていた。
それを覗き込もうとしたが、絢人さんは私のことは自分の背中の後ろに隠したままで、応答した。
「こんにちは。今回は驚かせてしまい申し訳ありません」
『絢人くん!! 好きな女性がいるとは君までどういうことかね!? 玲奈も執事と結婚したいと言い出すし!! 僕たちは何も聞いてないよ!?』
『こら絢人そこにいるのか!! 変だと思ってたんだ!! 急に統合を白紙に戻そうとしたから!! おい、聞いてるのか!!』
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