白い天井を眺めながら。

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ついさっきまでが夢、そして夢と現実を浮遊し、行き来した結果だったみたいだけれど目覚めた現在の方が現実の方が頭も体も何か浮遊しているみたいにふわふわしていて目眩がする。 目が覚めてから合点がいったのが夢の中で体の自由が効かなかった原因は体中に繋がった点滴やドレーンホースの管達だ、こんなに沢山ついてるんだな、手足はベッドの柵に固定されているし、大人のオムツしているし、尿道カテーテルは刺さって居るしで何だか異様な光景です。 そして、一番違和感があったのがやや右上の胸の傷とその発する痛み。 手術で切ったのは既に20日くらい前なので傷口辺りは見た目、既に回復、そんな感じ。 でも、実際は緊急の心臓手術なので首のすぐ下胸骨だかは開いて切って心臓を露出させて、後で聞いた話だと15時間くらいかかったらしい。本当に運がいいのか悪いのか?今のとこらそれほどの人生でもないし、無事生きる事も出来たけれど既に50歳になりましたしね。 何だかこのまま無駄に歳を重ねて同じ様な厄災を再び背負ってしまうのではないかと新たな心配の芽が芽生えてきそうです。 15年前に仕事中の事故で死線を彷徨い、そして今年も、このスパンでだと次は65歳くらいで再びか?冗談じゃない、それはゴメンだ!65歳くらいで経験したら今度は間違い無く死ぬ!最低でも重度の後遺症持ちで燃え尽きたも同然の末路に違いない。 そんな事を退院前日の病室で思い悩んでいる、この白い病室は至れり尽くせりで本当に毎日が快適といえば快適。 気持ちを退化させるのにも最適な環境、なんといっても見目麗しい看護師さんが3交替で何時も世話してくれる。 意識が戻って直ぐの頃は下の世話も体拭きも、そのごのシャワーも全てお手伝い。意識がハッキリし始めた頃についつい本人達を前に「これ、何だかプレイしてるみたいで恥ずかしいです」なんて、つい口をついて出てしまったくらいです。 それくらい夢の時間を過ごすことができました、この白い巨塔?に運ばれて夢とも現実ともとれぬ夢をみて段々現実に近づいて。 現実ではこれからも職場復帰や社会復帰に向けて長くリハを続けなければいけないし乗り越えないと夢はベッドの上でだね。
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