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春の三日月はちょっと優しい。 そんなイメージがあるのはやっぱり春だからだろうか。 ぼうっと青白い外灯がベンチを照らす。夜に公園でひとり春に降る雪を眺めている、まだ入学したばかりの真新しい高校の制服を着たまま。 特に夢も希望もなく、何となく選んで、何となく受かった。周りはもちろん喜んだが、自分はどこか距離を置いてそれを見ていた。まるで他人事だ。 新しい環境、人間関係が苦痛でしょうがない。
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