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少しの沈黙のあと。
「あなた様の名前伺ってもいいでしょうか?」
「俺?夏の月と書いて、夏月」
「夏月様はいつもここに来るのですか?」
「来ないけど……あんたの名前も教えてくれないと、呼ぶのに困る」
少女は慌てて頭を下げる。
「失礼しました!私は春風といいます」
「……春風はさ、人生嫌になったことある?俺は何度もあるよ。今も、苦痛しかない」
何気無く出た言葉は毒だった。
もう、生きていたくない。
馬鹿みたいで、でも本気の本音。
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