第1話 出会い

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最初に入ってきたのは、隣町のA中学出身の天才肌のゴッケンこと、後藤。 続いて、秀才タイプのスエッチョこと、末田。 二人は、理系の特別クラスだ。 気の良い連中で、転校してきた僕とすぐに打ち解け、朝練に付き合ってくれていた。 もう一人は、クラスメイトのケンタこと、上見。 同じ中学出身ということで、家も近いらしくいつも一緒に登校してくる。 転校した学校は、進学校で部活より学業優先って感じの普通科高校だ。 部顧問の先生は、数学教師で学生時代の部活はラグビーをやっていたらしく、教師になって5年目の少し熱い感じの先生だった。 「転校してきました。 岸 かなた です。 よろしくお願いします」 「おうっ。よろしくな! 顧問の中島だ」 部活の入部届を職員室にもっていった時の先生の印象は、ホントに初心者といった感じで、うまくやっていけるか少し心配になった。 新人戦を来月に控えて、2年生中心のチームとして最初の公式戦という時期に、僕はこのチームと出会った。 ここからは、少し僕の話をしよう。 僕の父は、大の巨人ファンで、その日の機嫌は巨人の戦績に左右される人だった。 野球は素人のくせに、いつもプロ野球を見ているため、野球にはかなり詳しい。     
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