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プロローグ 天使との出会い
目の前の光景に目を疑った。
白く輝いた羽を広げた天使が僕の部屋に飛ばされて、自分の部屋がぐちゃぐちゃになったからだ。
「あなたは主?」
そう僕、澤田実に言い放った天使は黒く長い髪をたなびかせて不思議そうな黒い眼差しで僕を見つめていた。
「きっ、君は一体……」
「あなたは私の主。間違いない」
天使はホログラムの様な物を出して眺めていた。
「私?私ですか?私はあなた様に仕える天使。またの名を天使麗と申すものです」
麗が僕の部屋に突っ込んできたせいで、自分の部屋に大きな穴が出来てボロボロになっていた。
「綺麗にしなくちゃ」
「私のせい……、そうですか。リバース!」
麗はそう叫ぶと、麗の片目が黒から緑へと変わっていく。そして、自分の部屋がみるみる元に戻っていった。
「へ……」
「ということで、これから宜しくお願いします。主……」
さっきまで信じられない光景を見せられていたが、もう既に受け入れてしまっている自分がいた。
「主とか言ってるけど、僕がそんな大層な人間に見えるの?」
「データにもあるので、貴方が主で間違いないです」
データ?さっきのホログラムみたいな物で見てるのか?
「僕はデータで君の主と定められているの?それっておかしくないか?」
「おかしくありません。正常です」
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