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そうして、僕達兄妹は自分のクラスに戻った。
麗はというと、梨華に麗の羽を強く握って引きずられていった。
「ホント、お前の妹ってブラコンだよな……。同情するぜ」
クラスメイトの木下一樹が僕に話しかけてきた。
こいつはお調子者で、僕が面白いのかなにかと構って来る。
だけど、ここのクラスで唯一の友達だ。
「はぁ、そんな事言って面白がってるんだろ?」
「バレてたか……」
「うざっ……」
少し嫌悪感を示しながら僕は授業の準備をする。
次の授業は数学だ。
数式とか覚えなきゃいけないのは非常に面倒だが、前もって予習しておこう。
「お前、ホント予習好きな」
「一樹には関係無いだろ」
『主はそんな勉強なんてしなくていいんですよ』
「主ってお前いきなり何言って……」
ふと、横を見ると、一樹の隣には梨華に連れていかれた麗が僕のクラスに入っていた。
「は?なに言ってるんだよ。幻聴でも聞こえてんのか?」
一樹は僕を変人みたいな目で見ていた。
まさか、麗が僕のクラスに入ってくるとは思わなかった。
ここはどうにか誤魔化してクラスから麗を出さなければ滅茶苦茶になってしまう。
『私が主を自由の身にさせてあげますから!』
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