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そう、おもむろに麗は手から火災報知器に向けて小さい炎を放った。
火災報知器がなる前にすぐに気づいたのはクラスメイトの安藤ミリスだった。
「きゃぁぁぁ、炎が浮いてる!!」
「ホントだ!何が起こってるんだ……」
くそっ、気づかれてしまったか……。
僕は現実逃避をして、勉強に集中した。
「きっと、悪魔の仕業よ!この教室は呪われてるんだわ」
ミリスが悪魔の仕業と豪語してる中、僕は誰がやってるのか知ってるので少し笑いそうになった。
ま、あながち間違いじゃないんだけど天使の仕業なんだよな……。
悪魔的思考の天使と解釈すれば、悪魔と思っても不思議ではない。
周りに見えないなら尚更の事だ。
ミリスが呪文の様なものを唱え始めた。
「●□○▲△◎◇■□」
正直ミリスが何を言ってるか聞き取れきれないし、ミリスってあんなに悪魔払いする様なキャラだった事にクラスメイトも僕も驚いた。
そんなミリスに対して一樹が言った。
「まさか、ミリスちゃんの家って悪魔払いの一家なの?」
「…………」
その一言に対して、ミリスは黙ったまま顔を俯けていた。
そして、沈黙が終わったあとミリスはとても恥ずかしそうにしながらこう言った。
「私を見ないで~!」
火災報知器に炎を放った天使はいつの間にか姿を消した。
「お前、何であんなもの見て落ち着いていられるんだよ!」
ぼっーとしていた僕に向かって一樹がそう言い放った。
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