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「べ、別にあんたなんて羨ましくないんだから!今のあたしは悪魔で、好き勝手にやらせて貰ってるから逆にあんたの方が羨ましいんじゃない?」
高圧的な態度に麗はイラっとしたのか、同じく麗も高圧的な態度になった。
天使も悪魔も幼稚だな……。
「好き勝手ですか?私も好き勝手やってますけどね」
「そんな事より、周りの人の洗脳解けよ!」
「無理ですよ。だって、この悪魔はポンコツ悪魔ですから、かかったのすら無意識にやってる事をさも洗脳したと言い張ってるだけだと思うので解除方法なんて分からないと思いますよ……」
「あっ、そういう事だったのか……」
「納得しないでよ!?まぁ、事実だけど……」
ポンコツをまるでさも凄いかのように、若干ミリスは得意げになっていた。
「それ、全然凄くないですよ……。逆に自分の駄目さをひけらかしてる様で滑稽ですね」
麗は内心凄く笑っているのか、引きつった表情をして笑っているのを我慢している様に腹を抑えていたが顔の表情だけでは笑っている様に見えないのが、少し怖い。
「だって……、だって……あああああああああ~」
麗に馬鹿にされたのがあまりに悔しかったのか、ミリスは大声で泣きじゃくり始めた。
「子供ですね……」
そう言って、麗は僕を置き去りにしてその場から去った。
大声に先生達が気づき、その場にいた僕とミリスを見て泣かせたのは僕のせいだと思うのは当然の事だろう。
そして、僕は職員室で怒られたがミリスの悪魔の羽は僕にしか見えていないようだった。
担任の先生への説教がようやく終わって、僕は自分のクラスに戻った。
「災難だったな」
一番最初に僕に話しかけてきたのは一樹だった。
「いや……」
「何も言わなくていい……」
僕が言葉を発そうとした瞬間、一樹は首を振って肩を叩いた。
気遣ってくれたのだろう、僕の中で一樹の好感度が少し上がった。
実際、僕に女子を泣かせるだけの度量が無いのは分かってるだけなのだろう。
って事は、ミリスのチャームの魔法に掛かってる奴は何かしらの影響を受けるのか?
多分、ミリスの親衛隊なのだろう。異様に僕を睨みつけてくる集団が見えた。
親衛隊までいるのか……、あの悪魔も無自覚な魅了がここまで来ると才能と感じざる負えないな。
睨みつけて来た一人が僕の方に寄って来た。
「ミリス様を傷つけて、ただじゃ置かないからな」
チャームの魔力に憑りつかれているせいか、よく見るとそいつは虚ろな目をしていた。
きっと、感情が高ぶって今まで以上にチャームの魔力が彼らに掛かっているのだろう。
もし、チャームが関係ないとすればマジ切れなんだよなぁ。
ミリスの方向を見ると、僕の方向を見ながら泣いてる様に顔を隠してるが若干ニヤついていた。
きっと、チャームの力でミリスが差し向けた親衛隊なのだろう。
「まぁいい、次同じ事をしたら……、いいな?」
「はい……、すみません」
悪いのはあの天使が泣かせたのが原因なのだが、これ以上大事にはしたくなかったので謝った。
目の前の親衛隊はしたり顔をして、ミリスの元へと帰って行った。
「お前、ホント変な奴に目を付けられたな」
「ああ」
これから起こる学生生活が大変な生活になるのを予見してしまう僕だった。
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