第1章 天使と僕 第3節~天使になりたかった悪魔の同級生~

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■ ■ ■ 「まったく、何なのかしらね……」  私は弟の部屋に入って、奇妙な現象に出くわしてしまった。 あれって、幽霊なのかしら……?? 私は今まで幽霊なんて見たことも無いし、この家に幽霊が住んでいるなんて聞いたことも無い。 もし、仮に幽霊が住んでいるなら除霊しなくちゃいけないわね。  廊下でばったり妹の梨華と出くわした。 「あ、お姉ちゃん。何か真剣そうな顔してるけど、何かあった?」 「実の部屋で……、ちょっとね」 「え?お兄ちゃんの部屋で!!」  急に妹が顔を赤面して私を見ていた。 きっと、この妹は変な妄想でもしているのだろう。 まったく、困った弟と妹だ……。 「梨華は変な事を想像してるかもしれないけど、それ勘違いよ」 「えっ、お兄ちゃんに告白されたんでしょ?」 ほらっ、勘違いしてる……。 「さっき、実の部屋で幽霊見たのよ」 「あー……。あれね」 「私、幽霊見たのよ。何かリアクション無いの?納得してんじゃないわよ!!」 妹にとって幽霊は周知の事実だったらしい。  確かに、毎日の様に実の部屋に行ってるから知ってるのかもしれない。 いやいや、幽霊よ?いるわけないじゃない……。 「えーっと、昨日住み出したんだよ!!お兄ちゃんの部屋に幽霊が……」 うちの妹はきっと電波なのよ!そうに違いない……。 「もう、分かったわ……」  私は同情した顔で、妹に肩を軽く叩いた。 「お姉ちゃん……」  そう言うと妹は何か察したのか、実の部屋にトボトボと向かった。 「この事、お母さんに報告しないと……」 多分、今日は家族会議になりそうね……。  私は一階で、お母さんが帰って来るまで炊事洗濯しようかしら。
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