第1章 天使と僕 第1節~察する妹~

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第1章 天使と僕 第1節~察する妹~

麗は僕の家に居候していた。 「主は私が守ります!」 僕が学校の準備をして、外に出ると麗がそう言ってきた。 まさか、周りが見えないのを良い事に外まで来る気なのか…。 「主、私も一緒に行きます!」 「やめろ!」 僕が玄関前で麗に着いてくるのをやめさせると、たまたま一緒に登校する梨華に変な目で見られた。 「お兄ちゃん、昨日からおかしいけど……。なんで、一人で妄想に浸ってんの?」 「あはは、友達の中2病が移ったかな」 僕は笑いながらその場を誤魔化す。 「変なお兄ちゃん……」 麗が付いてくるが、僕は学校の鞄を持って梨華より先にこの家を出た。 「お兄ちゃん、待ってよ!」 「主、待ってよ!」 梨華の真似をしている麗と梨華は先に行ってる僕を追いかけてくる。 「お兄ちゃん、いつもなら待ってくれるじゃん!」 「主、いつもなら待ってくれるじゃん!」 この天使、梨華の真似して話しかけてるな。 僕は今まで麗と一緒に登校なんてした事は無い。 だって、昨日初めてあったばかりなのに登校もくそもないだろう。 「ごめん、速かった?」 「速かったです!」     
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