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「運命の赤い糸を持ってるのはお兄ちゃんの妹の私なの!?昔からそう決まってるんだから……!!」
相変わらずブラコン全開でそう言い切る梨華。
ドヤ顔して優位に立っているのに優越感を得ている麗。
僕はその光景を見て、『またか』という思いに駆られた。
「ヒロインの座は天使の私一人で十分です!!妹さんはお払い箱なんですよ」
「はぁ??急に横から入ってきて、未来から来たかなんだか知らないけど、あたしとお兄ちゃんの邪魔しないでよね!?」
まったく、困った2人だ。
この2人はいつも喧嘩ばかりして僕を困らせる。
「あんたか……」
突然、目の前に黒服を着た奴が来た。
声はヤンキーの様なガラの悪い声だった。
でも、男にしては高い声だ。
顔はよく見えなかった。
「貴方は誰ですか?主に何の用ですか??」
「お前に用はない……。ただ、忠告しておく……。これ以上、世界を乱すな」
冷静な口調で僕にそう言った。
世界を乱す?僕が何をしたって言うんだ……。
黒服の言ってる意味が分からなかった。
「何を言ってるんですか?世界を乱す?主が何をしたって言うんですか……??」
「そうよ!お兄ちゃんは何もしてないわ!!」
「分からないならいい……。まぁ、時期に分かるさ」
黒服のマントたなびかせて、黒服は颯爽と去っていった。
「あいつは何だったんだ……。なんだ、あの黒服は……」
「意味深な事言って去っていきましたね……。理由も言わずに……」
「あれは誰だったんだ……。お前の知り合いか?」
「あんなの知りませんよ。黒服とか悪魔の趣味なんでどっかの悪魔じゃないですか?誰か知らないですけど……」
「悪魔?ミリスの仲間なのか?よく知らないけど、悪魔ってポンコツそうなんだけど……。あれはポンコツそうに見えなかったぞ……」
「あのポンコツ悪魔は例外ですよ……。皆があんなポンコツだったら悪魔界は馬鹿ばっかりになるじゃないですか……!?」
確かにそれも一理あるな……。
皆が皆、あんなポンコツ悪魔だったら悪魔界はとんでもない事になる。
それは誰でも容易に考えつくだろう。
「まったく、いつも余計な事に巻き込んで……。お兄ちゃんを困らせたら、私許さないからね!?」
「私がこの世界に来たばかりに……。主には申し訳ないです」
「謝らなくていい……。お前が来ても来なくてもこうなってただろうし……」
「主……、やっぱり主は優しいですね」
麗は嬉しそうだが、梨華は気に入らない様でイライラしていた。
僕に対して梨華は睨みつけた態度を見せた。
「なんで、お兄ちゃんはあたしよりもその天使と仲良くなってるの!?もういいっ!!」
「梨華っ!?」
梨華は家に入って引き籠ってしまった。
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