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第1章 天使と僕 第2節~敵対する二人~
「あんたのせいで遅刻したじゃん!」
梨華は教師に怒られた後、屋上に行き、麗を呼び出した。
ついでに、僕もだ。
そして、怒っている梨華は麗に人指し指を向けている。
「失礼ですよ。人に指を向けるなんて、学校で習わなかったんですか?」
「失礼?勝手に私達の家に不法侵入するあんたの方がよっぽど失礼だと思うけど」
梨華は麗に引けを取らない正論をぶつけた。
たしかにそうだな……。器物破損は直してるから違うのか?
「未来人に法なんて関係無いですよ」
ここは過去なんだから関係あるだろ……。
そうドヤ顔を決める麗に対して梨華は呆れていた。
「はぁ、なんか馬鹿らしくなってきた。お兄ちゃんそろそろ授業だし行こ……」
梨華はそう言って僕の手を強く握って引っ張っていった。
僕はその後授業が終わってから、少し背伸びをしてリラックスしていた。
梨華は授業が一つ終わる度に、毎回の様にやってくる。
それがいつもの通常の光景だ。
だが、今日は違った。
昼休みの時間、梨華と麗が喧嘩をしながら自分のクラスへ入って来たのだ。
「なんで、あんたがお兄ちゃんの教室に入っていくのよ!」
「別にいいじゃない。あなたには関係無いです!」
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