1人が本棚に入れています
本棚に追加
私は家に帰った。どうやって帰ったのかは、覚えていない。とりあえず、この身が自宅にあるのは事実らしい。
脳内で「そんなものだ」というセリフが執拗に繰り返される。
彼も「そんなもの」と言ったことがあったっけ。それはきっと、あの時だ。
私が「いいネタが見つからない」とぼやいていたあの時。
彼は「いつか心から書きたくなるネタが見つかる」と言った。
私はようやくそれを理解した。
何か強く心に刻みつけられるような出来事があった時、それをネタにしてしまえばいいのだ。
そういうことか。
確かに、そんなものですね。
薫さん、ネタ、見つかりましたよ。
─────完─────
最初のコメントを投稿しよう!