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「そっか。じゃあ、お揃いだね。」
私がそう言うと、彼からは翳りが消えて、今度は目は丸くなった。
「あれ、そうなんだ。」
「そうなんだよ。」
ふっ。と
どちらからともなく笑みが漏れた。
「お揃いか。」
柔らかく笑った高野くんの隣に、腰を下ろす。
そうすると、キラキラが一層輝いて見えた。
その中を歩く人も。
「お揃いついでに、今日だけデートしてよ。」
ぼそっと呟いた私に、一瞬、隣の肩が固まったような気がしたけど。
「…デートじゃなくて同窓会っていうならいいよ。」
確かにそう言った。
きっと何も知らない人からは、今待ち合わせたみたいに見えるよ。
「どこ行く?」
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