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「ここってこんなイルミネーションしてたんだね。」
「知らなかった?」
驚いて目を丸くさせた私に、ニヤッと笑いかける彼。
そのドヤ顔が、ちょっと可愛い。
小さな公園。
来たことはあるけれど、こんなイルミネーションをしているのは初めて見た。
「穴場でいいね。」
大通りのような派手さはないけれど、人がそんなにいなくて、しっとりした雰囲気がなかなかいい。
そのまま二人でベンチに座った。
目の前には控えめな噴水が、光に照らされている。
「よく考えたら寒いよな。」
ごめん。と謝る彼に、微笑んで見せる。
「全然。むしろ知らなかったからラッキーだよ。」
これがあったかいしね。と手に包んだココアを示す。
ほっとした顔を見せる高野くんに、寂しい心が癒された。
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