第1章

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「健のガンは小さかったハズなのに、治らなかった。少しくらい寿命が延びたって、苦しい思いを長引かせてるだけに思えた。 副作用の吐き気と食指不振でどんどん痩せて、体力も奪われ、歩くのも大変そうだった。 殆ど病院にいたし… 俺は最期まで夕貴のそばで生きたいんだ。」 顔をあげると高村くんは優しい笑顔だけど、辛そうに見えた。 今一番辛いのは高村くんだ 私が泣いていたら彼をもっと悲しませてしまう それから… 私は泣くことをやめた。 どんなに悲しくても彼のそばで笑っていようそう誓った。
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