一、プロローグ

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闇のものたちがやって来た時、仲間はみんなやられてしまってね。最後に、たった一人で立ち向かったのがマーリンだった。マーリンは一番の魔法使いだった。そうして、死闘の末にマーリンが闇のものたちを追い払ってくれたのさ。その後、再び奴らが攻めてこないように、マーリンは白い谷の周りに決壊を張ったんだ。それでやっと私たちは安心して暮らせるようになったというわけさ。                 ☆  ☆  ☆ 「ねえねえ、マーリンはどんな魔法を使ったの?」 「それは分からないんだよ。誰も見たものがいなかったし、マーリンもそれについては何も語らなかったからねえ。カイルはどんな魔法だと思う?」 「う~ん。分からない」 「そうだねえ。みんながそれについては色々に推測しているんだけど、分からないんだよ」 「ねえ、おばあちゃん。おばあちゃんは闇のものって見たことある?」 「おばあちゃんも見たことはないよ。もう、闇のものが最後に現れてから600年にもなるからねえ」 「ふ~ん。闇のものってどんな姿をしているのかなあ?」 「それは色々に言われているねえ。蛇のような形だとか、黒い霧みたいだとか、とてつもなく大男だとか。カイルがホワイトライダーになってみれば、どんな奴か分かると思うけど、出来れば闇のものと戦うなんて危ない真似はして欲しくないねえ」 「でも、闇のものはやっつけなきゃいけないんでしょ。僕がやっつけてやるんだ」 「そうかい、そうかい。カイルは頼もしいねえ」                 ☆  ☆  ☆     
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