一、プロローグ

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「確かに、カイルの言う通りかも知れないねえ。でもね、考えてごらん。白い谷はマーリンの結界で安全になったけれども、外の世界は闇の者たちに支配されてしまっているだろう。だから、助けなくちゃならないんだ。それは、分かるだろう」 「うん、分かるよ」 「だから、アーサーは闇の者たちと対峙することで冒険を始めなければならなかったんだ。闇のものたちを退けられるのはマーリンの剣だけだからね。それが、冒険をする前に剣がアーサーを選んだ理由なのさ。分かったかい?」 「うん、分かった。じゃあ、剣が無いと闇のものには勝てないの?」 「その通りさね」                 ☆  ☆  ☆ 「ふ~ん。そうなんだ。ねえねえ、おばあちゃん。名をあたえるって、どういうこと?」 「ホホホ、そうだねえ。ところでカイルはいくつにおなりかえ?」 「えっ? 僕? 6歳!」 「そう、じゃあ、あと9年して、カイルがちょうど15歳になったときに分かるよ」 「ええ~、そうなの? どうして?」 「私たちは大人になるためにいくつかの儀式を通化しなければならないんだよ。3歳、5歳、7歳。そして15歳。15歳は真名井の儀式でカイルが大人になる儀式なんだよ。15歳になって、儀式を終えたときにカイルも大人の仲間入りが出来るからさ。カイルは真名井の滝をお知りかえ?」 「知ってる! 僕ね、あそこで遊びたいのに、みんなが遊んじゃ駄目って言うんだ。何で?」     
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