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指先をスライドさせて届いたばかりのメッセージを開けると、そこには短文で『明日のサプライズプレゼントよろしく』の一言。
明日は康平の妹の柚葉ちゃんの誕生日で、以前から優介と一緒にサプライズでプレゼントを渡そうと話していたのだ。そしてつい先日決まったばかりのプレゼントは、私の机の中で明日の晴れ舞台を待ち構えている。
彩菜は「はあ」とため息をつくと「了解! 任せて」というメッセージの後に、可愛いパンダが親指を立てているスタンプも一緒に送った。
優介からメッセージが来るのは素直に嬉しい。ただ、彼がメッセージを送ってくれるのは、何か用事がある時だけ。
もちろん優介らしいと言えばそうなんだけど、自分としてはやっぱりもうちょっと連絡を取りたい。まあ、そんなことを言える立場じゃないのだけれど……。
彩菜はどさっと再びベッドに横になると、スマホを胸に仰向けになった。
友達同士の関係から恋愛対象に格上げされるのはけっこう難しいと、今まで散々聞かされてきた。ましてそれが幼なじみともなれば、かなりのグレーゾーンに違いない。
彩菜は再び大きくため息をついて目を閉じた。そうこうしている間に、優介に彼女が出来てしまったら、私はその時いつも通りでいられるのだろうか。
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