1話:嫁さがしの理由

1/7
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ

1話:嫁さがしの理由

 今、我が家では壮絶な親子喧嘩が行われていた。  なぜなら、母ちゃんが突然俺に家を出て行けといだしたからだ!  俺の家は御神木の(しい)の木を祭る神社。  そして俺は宮司の息子で手鬼 霊樹(てき れいき)。  神職の修行もして来たし、宮司の息子なら継ぐのが当たり前だと思っていた。  それなのに出て行けなんて…… あんまりだ! 「うっせー! 39にもなってニートやってる息子なんか要らねぇんだよ!」  因みにこの口が悪いのが俺の母ちゃん。  あと、体格も顔も鬼にそっくり。  因みに俺は39歳、だけど半妖なので見た目は18歳ぐらい。  ここ重要はなので宣言しておきます。 「ニートじゃねぇよ! 自宅警備員だ! 今までうちにくる盗賊や(あやかし)は退治してただろ?」 「はいはい、ニートはみんなそう言うんだろ? ちょっと睨んだらだけで逃げるか死ぬ奴らに、警備なんて要らないけどな!」  悔しいが、母ちゃんはマジで睨むだけで奴等を殺せる。  霊力の高い、ただの宮司の筈なのだが……  その武威はすでに人を超越して、未知の領域……     
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!