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カーナは満足そうににっと笑うと
「じゃ、視覚共有するよ」
と両手を目の前にかざした。
フォン、と空間を歪ませる音と共に二人の目の前に少しいびつな横長の円が現れ、上空から地面を見下ろす情景が映し出された。
先程の青い鳥の視覚だ。
『もう5キロほど飛んだみたいだね。もうすぐ見つかるよ』
ハレンが鼻をひくつかせながそう言った時だった。
2人が見ている情景に2・3度黒いものが覆いかぶさった。
そして羽根が数枚飛び散り、地面へと落ちていった。
『火薬の匂いが強まった』
「撃ったか」
カーナとハレンの表情が強張る。
この辺の鳥は視界が広い方だ。
何より、普通の人間でも上空から地上はよく見渡せる。
それなのにこの鳥の視界に何も映らない状態で弾だけが来たということは。
「腕の良い盗賊」
カーナがぽつりと呟くと、ハレンのふわふわの尻尾がぴんと立ち上がった。
その尻尾の毛がざわざわと逆立ち、銀色の毛となりみるからに頑丈そうな姿となる。
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