エルフと鋼リス

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エルフと鋼リス

砂漠、 というには木々が多い土地。 そんな土地にカーナは住んでいた。 カーナは、木の頂上まで登ってリスのハレンを肩に乗せて風に吹かれるのがこの上なく好きだった。 草花が少ない地面に砂ばかり広がる中、大きな樹木が点々と並んでいて、その中でも一際大きな樹木にカーナは住んでいた。 少し歩くとオアシスがあるこの土地は生き物もそこそこ居るので食料には困らず、人といえば時々通る旅人程度で静かな場所だった。 この住処は、あまり人目に出て目立ちたくないカーナとハレンにとってはぴったりの場所だった。 カーナは住んでいる木に実っていた小さな木の実をハレンに差し出し「今日のおやつ。3個までね」と言って、もふもふで身体と同じくらいの大きさの尻尾を指先で軽く撫でた。 『ありがとうカーナ。でも5個食べたい。お腹空いた』 鼻をひくひくと上下に揺らしながらリスのハレンは答え、早速一つ齧り始めた。 少し硬めの実であるため、カリッといい音がしてハレンはうっとりとした表情を浮かべる。 『いい歯ごたえ。歯が幸せだ』 ハレンのうっとりした声にカーナはくすっと笑みを零し「お気に召したようでなにより」とまた指先でハレンの尻尾を撫でた。
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