プロローグ

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 そう思えば頭は自然と下へと向き、足元に視線を送るも。 「(当然だが。暗くて何も見えないな。)」  危ない物、或いは役に立つ物かも知れない。どちらにせよ  良く確認する必要があるだろう。私は確認の為に(かが)()む、が。  その途中で私は今吐きそうなのだと思い出す。思い出してしまった。  思い出すと途端(とたん)に気持ちが悪くなる。驚きで忘れていた  吐き気が再び戻って来てしまった訳だ。何が足元にあるのか気にはなるが、  こうなってしまってはそれ所では無い。  確認はどうでも良い。一刻も早く出口らしき光源に向かおう。 「(とは言え。)」  このまままっすぐ光源に進むには足元の物が怖いので。足元にある  良く分からない何かを迂回(うかい)しよう。  私は正面に見えていた光源から目を逸らさず、カニ歩きで  迂回行動を開始。  また何かを蹴っても打つかっても怖いのでずり足で、気持ち早めに。  そうして“ずーり、ずーり”と。光源へ向かって進む。  気持ちの悪さと、何かに打つかるかも知れないと言う恐怖に急かされ。  光源へはすり足移動ながらも直ぐに着く事が出来た。  どうやら光源は扉らしき物の、その下に出来た隙間から漏れていた物らしい。     
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